好ましい行動を取った後に自分自身にとって良いことが起これば何度もその行動(好ましい行動)を繰り返し たくなるし、望ましい行動を起こした後に望んだ結果を得られなければ、その行動(望まない行動)は減っていくという考えがベースとなっています。
★問題行動を減らすことができる
★こだわりを減らすことができる
★コミュニケーション能力を高めることができる
実際には複雑な分析や条件付けのもと行われるABAですが、ここでは基本的はやり方を紹介します。
ABAでは最初に行動分析を行います。よく用いられるのがABC分析という方法です。ABC分析では以下の内容を分析します。
・先行事象(Antecedent)-対象行動が起こる前の状況や行動
・行動(Behavior)-対象行動
・結果(Consequence)
-行動が起こったことで得た事象
行動に限定せず、環境要因に向けて分析する。行動だけに着目せず、その前後の事象を分析することで、「なぜ対象行動が起こったのか?」という根本的な理由を理解することができます。
対象行動がこの好ましい行動だった場合、その行動を繰り返し自発的に起こるように強化します。強化するためには、対象行動を取ったことで本人にとってメリットのある結果を導く必要があります。強化子と聞くとご褒美を連想しがちですが、強化子は物に限定しなくてもよい。本人が求めているものであればメリットの役割を果たします。
つまり、褒められることに喜びを感じる子なら「よくできたね」「すこいね」なども強化子になります。また、スキンシップを好む子なら抱きしめたりすることも強化子になります。
望まない行動を消去する
望まない行動がおきた場合には、対象行動を減らすために消去します。消去するためには、対象行動を取ったことで本人にメリットのない結果を招きます。
ただしメリットのない結果とはデメリットと異なることをご理解してください。「叱られる」など精神的な苦痛を伴うものではなく、本人が望んだ結果にならなかったとういう状況をつくりだします。つまり「対象行動を起こしても望む結果にならないなら、やっても意味がない」と感じることが重要なのです。
ABAの基本的な考え方に基づいたやりを紹介しましたが、それ以上にもさまざまなアプローチ方法があります。
基本的には着席し、指導員の指示に従ってトレーニングを行います。
日本語で「断続(不連続)」や「個別的な」という意味があります。
指導員が変わっても同じ指導が可能な「構造化」されているので、一つの課題を
何度も繰り返しトレーニングしていくことで学習を促していきます。
① 指導員に注目する
② 指示を出す(必要によりプロンプト)
③ 指示に従った適切な行動
④ 褒める(報酬)や強化子(好きなもの)を与える
自然な流れや遊びの中で指導員と自然な強化子を用いて学習とトレーニングを行います。
新たな環境や新たな場面で自然に沿って活用できるように特化しています。
例)DDTでは、覚えて欲しい言葉を何度も繰り返し行います。りんごの絵カードを並べ「りんご」と指導員に言えたらご褒美として強化子(おもちゃ)などで遊べる。指示に対して強化子が少し不自然ですよね。
NET)“自然“に必要なスキルを表出できるように綿密な設定をします。
覚えて欲しいスキルが出来たときの強化子が、そのスキルとイコールになるので
定着しやすいのです。(DDT:リンゴ=おもちゃ・NET:リンゴ=リンゴひとかけ)
自然な遊びを設定して子ども主導で自然な強化子を用いて行われます。
例)おままごとの最中にリンゴが欲しいとなります。
そこで指導員は「リンゴをちょうだい」と言えるようにプロンプトを入れます。
そして「はいどうぞ」とリンゴがもらえ、遊びの続きができます。
このように遊びの中で自然とスキルを覚えていけます。
言葉も行動になります。
・マインド(要求言語行動) リンゴちょうだい!リンゴいらない!など
・タクト(報告言語行動) リンゴだぁ(リンゴを見て)
・エコーイック(音声模倣行動) 母:「リンゴ」子ども:「リンゴ」
・イントラバーバル(言語間制御) 母:「おかえり」子ども:「ただいま」
・ディクテーション(書き取り行動)
・コピーイング(書き写し行動)
・デクスチュアル(読字行動)
様々なアプローチ法がありますが、一番大事なことは、子どもの発達(凸凹)を見極め
日常の好ましい行動を強化してあげることです。
その為に、心掛けていることは、エラーレスラーニングです。分析をきちんとすることで、
良い行動が強化(増える)され、望まない行動が自然と弱化(減る)されます。
エラーレスラーニングで最も大切なことは、丁寧なプロンプトとスモールステップ(細分化)を行う事です。
勝手な見立てで「これくらいなら自分で出来るだろう」と決めつけると、失敗を繰り返し、望まない行動が増えることがあります。
丁寧なプロンプトとスモールステップ(細分化)を心掛けることで、成功体験を増やし、自発的な行動を増やしていきます。
ABA(応用行動分析)は、エビデンスに基づきアプローチすることで良い行動を増やし自己肯定感を高めながら行うものなのです。